今週はもう1つ、今アダム・スミスの“国富論”を読んでいるのですが、これが読んでみると意外と面白かったので、ブログに書いてみようかなと思います。
全然知らなかったのですが、実は今年は、国富論が出版されて250年なのだそうです!これは個人的には驚きで、最近では、ラランド・ニシダの筋トレ企画がネットでバズっている(?)のを知った時以来の驚きでした(バズっているのはあっていますか?バズーカ岡田先生の反応動画とセットで、去年の“国債で減税”以来のブームだと直感したのですが…とりあえず、知らない方は是非→https://www.youtube.com/watch?v=Fyt4CSs4eAc、https://www.youtube.com/watch?v=j4fC_Ntrdf0)。
これは絶対バズっている!…と思ったので、イベントやら記事やらをネットで調べてみましたが、、、、全然バズっていませんでした。かろうじて、日経新聞と北海道新聞が記事を掲載していたのと、日本経済史学会がイベントを行っていた(現在は終了)のを発見しましたが、ブラウザ上から感じ取った空気感としては“これはスケールしない??”という雰囲気がありました。
それこそ、恥ずかしいことに自分もそのことを知らず、何気なく国富論を読み始めただけだったので、まあ、世間的な空気としてはこっちかなという感じではあるのですが、ただ、世の中の盛り上がりは関係なく、内容は面白い!ということで、ちょっとこれからいくつかみていこうかなと思っています。
国富論が出版されたのは、1776年3月9日、英国から出版されました。正式なタイトルは“An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations”で、日本語に訳すと“諸国民の富の性質と原因に関する研究”となります。
アダム・スミスは当時グラスゴー大学の教授で、倫理学や道徳哲学を教えていたようです。1776年は米国が英国から独立宣言をした年であり(1776年7月4日に独立宣言)、英国では、あの産業革命が始まってきた時期になります(ですので、当然まだ世間的には産業革命という言葉は使っていない時期)。また、同年の同じ英国からは、歴史学の名著として名高い、エドワード・ギボンの“ローマ帝国滅亡史”が出版されています。
日本でいえば、去年の大河ドラマで有名になった田沼意次や蔦谷重三郎が活躍した時代で、2年前の1774年には、杉田玄白らによる“解体新書”が出版されています。
そうした中で、国富論は、いわゆる“経済学の教科書”を読むような、1つの理論体系でスキッと話を構成しているというよりは、当時の英国周りの社会経済問題を一つ一つとり上げ、考察を行っている本となっています。ですので、今“経済成長を考える”でみているのが、第二次世界大戦前~現在までの現代史を覗き込んでいるとすれば、より昔の西洋近代史(それこそ、フランス革命は1789年なので、これもまだ起こっていない時代の歴史)を覗くような感じになります。
例えば、この本の第五編では、教会についての考察を行っているのですが、スミスは、教会の富と国家財政の関係について、教会が富むほど国家の公共サービスや一般財政に回せる資源(財産)が減るという論理を展開し、教会の富に制限を設ける必要性を説いています。
つまり、教会(特に当時の特権的教会)が膨大な土地や富を保有し、それが無税あるいは低税率で管理されることで、それが農業や商工業といった“生産的な投資”や、国防、司法、公教育といった“公共の便益”に回らないことを問題視しています。また、当時のヨーロッパで一般的だった、農産物の10%を教会に納める、いわゆる“十分の一税”についても、土地の改良や農業生産への意欲を削ぐ“生産に対する重税”と見なしていました。
こんなことまで言って大丈夫だったのでしょうか…というのも、以前話題になった漫画“チ。-地球の運動について”は、15世紀(1400年代)の中世ヨーロッパを描いたものですが、その200年後の1633年になっても、ガリレオは宗教裁判にかけられ、地動説を捨てるよう命じられています。その後の歴史をみても、ニュートンが1687年に有名な“プリンキピア”を書いて、万有引力の法則によって“なぜ地球が動くのか”を物理学的に証明し、そのため18世紀(1700年代)に入るころには地動説は科学者の間で定説となっていくわけですが、それでも、カトリック教会が地動説を扱う本の一部を解禁したのは1757年、正式に地動説を教えることを認めたのは1822年になってからですから、国富論が書かれたころというのは、まだまだバリバリ教会というものが大きな力を持っていた時代になるわけです。
実際調べてみると、国富論は出版後、当時カトリック教会が出していた禁書目録というものに追加されてしまいます。この中にはガリレオの書物などもあったのですが、ガリレオの地動説関連の書物については、1835年に個別除外されたものの、国富論についてはその後も残り続け、結局1966年に禁書目録という制度自体が廃止になるのですが、その時まで国富論は目録の中に残り続けます。
なかなかいかつい話です…
ただ、教会に関する部分を含め、当時の経済・社会状況を踏まえて本当に様々な考察をしており、中には現代にも役立つような示唆もあるため、読んでいて結構面白いと思います。そのため、次回からは少しこの本についてみていくこともしようかなと考えています。
コメントを残す